露出の決め方
露出の決め方 ピンホールカメラでは…
まず、ピンホールカメラは小さい穴が開いているため、当然固定絞りになります。(絞り値が最初から決まっている)
感度100ならおよそ、快晴時は3秒、曇りで6秒くらいが目安にしていますが、露出時間は計算で出せます。カンでもいいのですが、できれば適性露出で正確に撮影した方が、色の出方も正確になりきれいだと思います。計算が得意な方は正確に算出することをお勧めします。
ピンホールカメラでの露光時間の決定方法
ここで必要な知識
シャッタースピードの1段は×2、もしくは÷2
絞りの1段は×√2、もしくは÷√2 ※約1.414
自分のピンホールカメラの絞り値がいくつか?
以上3っつのことが分かっていれば後は計算するだけです。
絞りは何で決定されるのか?
「焦点距離をピンホールの穴の直径で割った値」が明るさ(F値)になります。例えば、ピンホールの穴からフィルム面までの距離(焦点距離)を40mmにし、ピンホールの穴を0.22mmにした場合下記の計算になります。
40÷0.22=181.8
よってこの場合は絞りが約182ということになります。穴が小さければ入ってくる光の量も少なくなる為絞り値は大きくなるんですね〜。一眼レフでは考えられない大きな数値です。
※絞り値は大きくなれば大きくなるほど暗くなるということになります。
計算方法
一眼レフのレンズを見ると絞りのダイヤルには↓のように書いてあります。
1.7 2.8 4 5.6 8 11 16 22
一つ一つに1.414を掛けて行くと右隣の数字になるはずです。これが「一段」になります。
そこで露出計で測定した適正露出の絞り値が8だったとします。持っているピンホールカメラの絞りが182だった場合にどうすればいいのでしょうか?
F:8で撮影したくてもカメラの絞りは182。
そこで、182が8の何段先か考えてみますと。絞り1段は×√2(1.414)ですから8×1.414をしますと11.312です。
更に1.414を掛けていって何回掛けたら182まで到達するかみます。
すると、約9段ということが分かります。つまりカメラの絞り値は適正露出から9段アンダー(暗い)ということになります。
ココまで分かれば後は後半です。
9段と分かった訳ですから、後は露出計に出ている露出時間に倍がけ(×2)していき9段先を計算します。(×2を9回する)
例えば、露出計のシャッタースピードが1/20だったとしましょう。すると下記のような式になります。
2×2×2×2×2×2×2×2×2/20=25.6
よって、露出時間は約26秒となります。
結果→26秒間穴を開放する
しかしここで、
いちいち計算するのが面倒!
と感じます。
換算表を作る
2 2.8 4 5.6 8 11 16 22 32 45 64 90 128 180 256 360 512
1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1 2 4 8 15 30
上段は絞り値が一段ずつ書いてあります。右に行くほど暗くなります。下段はシャッタースピードです。これも一段ずつ書いてあります。単位は(秒)です。
この並びを二つの板や帯状の物に等間隔で書き写します。
換算表の使い方
まず、デジカメや露出計などで露出を測り(測光)出た数値、つまりシャッタースピードと絞り値の組み合わせが適正露出ということになりますが、作った二つの板で出た数値(シャッタースピードと絞り値)の組み合わせの通りに板と板を重ねます。
すると、隣の数値同士も適正露出ということになります。
例えば、適正露出がシャッタースピードが1/30で絞り値が4であったなら隣の組み合わせはシャッタースピードが1/15で絞り値が5.6になりますが、これも同じ露出ということになります。
つまり、全ての組み合わせで同じ露出ということになります。
同じ露出 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シャッタースピード | 1/30 | 1/15 | 1/8 | 1/4 | 1/2 | 1 | 2 | 4 |
絞り値 | 4 | 5.6 | 8 | 11 | 16 | 22 | 32 | 45 |