PENTAX SPをお使いになる上で
PENTAX SPを使うにあたって
PENTAX SPとはどんなカメラ?
PENTAX SPは1964年に登場したTTL測光のできるマニュアル一眼レフです。TTL測光はレンズを通した後の光を測るため厳密な適正値が分かることがメリットです。つまり、レンズを変えてもフィルターを変えても同じように撮影が出来るということです。
これは当時、とても貴重なことで世界初でした。
本機はマニュアル機のため、シャッターも機械式で電池が無くてもシャッターが切れます。
シャッターは?
1秒〜1/1000秒まで。ISO400のフィルムで、晴天時になると物足りなさを感じますが十分な程度です。
また、シャッターボタンにロック機構が無いので、撮る前に巻き上げるという習慣が必要かもしれません。
マウント・レンズ
M42という直径42mmのスクリューマウントになっています。
レンズについてはPENTAX純正のSuper Takumarというレンズが多いですが、FUJINON、その他ロシア製やツァイスのレンズもたまに見受けます。
中古市場では圧倒的に純正レンズが多く、Super Takumar 55mm F:1.8が中心ですが、このレンズがなかなかいいレンズで、割にボケがいい感じです。
露出計は?
露出計をONにするためにはスライド式スイッチを動かしてONにします。メーター表示はアナログの針が動くタイプで、シャッターダイヤルと絞りを回して露出計の針が中央に来ると適正ということになります。(シャッターを切ると露出計スイッチは自動的にOFFになります)
もちろん露出計を動かすのに電源が必要なのですが、言い換えれば露出計のためだけに電池が必要です。
測光は絞り込み測光なので、測光中は実際に絞り込まれてしまうためファインダーも絞りに応じて暗くなってしまいます。絞り込まれた状態ではピントが合わせにくいため開放させてからピントを合わせなくてはならず、使い勝手が悪い面もあります。
電池をどうするか?
元来、H-B(水銀電池)タイプの電池を使っていましたが、水銀電池が無くなってしまったため現在ではLR41もしくはSR41を流用している場合が多いと思います。
しかし、PENTAX SPの露出計は1.35Vで駆動するため1.5VであるLR41とSR41では測定値にズレが生じます。感覚ですがおよそ2段分の誤差があります。これは感度設定をずらせばいい話ですが、出来れば電圧を変換したいですね。
(私のSPでは、LR41を使っているとたまにメーターが振り切ってしまうことがありました。)
そこで、神奈川県の関東カメラサービスでは変換アダプターが作られていますのでコレを利用する方法もあります。
商品名:H-B ADAPTER
価 格:2,900円
電池蓋と一体型のため、電池蓋ごと交換することになります。
使用電池はSR626Wです。(SR626SWでも使用可能です)
私の場合は関東カメラサービスへメールで連絡後、通販という形で購入しました。
左)LR41
右)SR626W(360円で購入)
純正の電池蓋とH-B ADAPTERを比較。